シャドーイングは同時通訳者の勉強法としても使われており、継続することでリスニングやスピーキングを着実に鍛えることができます。
ですが、やり方やコツを知らないままおこなっても効果が出にくいので、途中で挫折する人も多いです。
そこで今回は、
「シャドーイングのやり方を知りたい」
「シャドーイングでリスニング力を上げたい」
と思っている方へ向けて、TOEICリスニングほぼ満点の私が、シャドーイングの基本的なやり方と5つのコツについてお伝えします!
リスニングを鍛えるために、日頃からシャドーイングをしています
基本的に、シャドーイングは次の3ステップでおこないます。
具体的なやり方は記事の中で解説します。
この記事を読めばシャドーイングにすぐ取り組めるようになるので、ぜひ英語力アップに役立ててくださいね。
シャドーイングを継続すれば英語耳をつくれる
シャドーイングの基本的なやり方に入る前に、「シャドーイングとはなんぞや」ということをお話していきますね。
「もう知ってる!」という方は、すっとばしちゃってOK!
シャドーイングとは、英語音声を声に出してなぞることで、英語をより聞き取れるようになる勉強法です。
なぜシャドーイングで英語をより聞き取れるようになるかというと、『声に出していること』と『聞き取りの集中力が上がっていること』が理由と考えられます。
音読と聞き取りの関係性は深く、「自分が発音できない英語は聞き取れない」とも言われています。
逆に言えば、自分が話せる英語ならほとんど聞き取れるということです。
たしかに、英語ペラペラなのに英語を聞き取れないという人は見たことない
音声を真似ながら発音していくうちに、徐々に英単語のアクセントやリズムが分かるようになります。
そうすると、今までは聞き取れなかった単語がふいに理解できたり、早すぎて呪文のようだった英語がちゃんと文章として頭の中に入ってくることが増えます。
消える音(リンキングやリダクション)も掴めるようになってくるよ
また、シャドーイングは音声に自分の声をかぶせるので、必然的に音声が聞こえにくくなります。
音声が聞こえにくいといつもより耳をすまして聞くので、ただ聞き流すよりも集中力は上がっているはずです。
シャドーイングが英語習得につながる仕組みについては、『外国語を話せるようになるしくみ シャドーイングが言語習得を促進するメカニズム』という本で詳しく解説されています。
なぜシャドーイングがリスニング強化につながるのか理解しておくと、シャドーイングへのモチベーションが上がり、効果的に勉強をおこなうことができます。
「本気で英語を習得したい」という方は読んで損のない内容となっていますので、興味があれば読んでみてくださいね。
シャドーイング基本のやり方【3ステップ】
シャドーイングの基本的なやり方は次の3ステップです。
スクリプトとは、話者のセリフが書かれている台本のことです。
スクリプト付きの教材を用意するか、自分の選んだ音声のセリフを書き出してみましょう。
どんな音声を選んだらいいか知りたい方は、次項の「シャドーイングで挫折しないための5つのコツ」を合わせてチェック!
それでは、シャドーイングのやり方3ステップについて解説していきます。
ステップ①スクリプト(台本)を見ながら音声を聞く
ひとつめのステップは、スクリプトを見ながら音声を聞くことです。
話者が話しているセリフをひたすら目で追います。
もし話者が話しているセリフがどこか分からなくなったら、見失った部分に戻って聞き直しましょう。
一通り目で追えるようになったらOKです!
シャドーイングをするのがほぼ初めての人には、『TOEICリスニング満点コーチが教える 3ヶ月で英語耳を作るシャドーイング』という教材が取り組みやすいのでおすすめです。
シャドーイングの基礎を手とり足取り教えてくれ、実体験をもとにしたリスニング強化の方法が具体的に載っています。
レビューでも好感度の高い評価が多いので、気になる方は試してみてください。
ステップ②スクリプトを見ながら音声と一緒に音読する
次のステップは、スクリプトを見ながら音声に合わせて音読します。
口が回らず置いてけぼりになるかもしれませんが、音声は止めずにセリフを追いかけてください。
完全に迷子になって気付いたら音声が終了したけど、どうしたらいい?
諦めずに何度でもトライ!音声のボリュームを上げたり、再生スピードを遅くするとやりやすくなるかも。
ステップ②では自分も声を出すため、音声が聞き取りにくくなります。
音声が聞こえないとセリフを見失いやすいので、音声のボリューム調節をするのも大事です。
また、再生スピードを変えられる音源だと、シャドーイングのやりやすさが格段にアップします。
最初のうちはゆっくり目、慣れてきたら標準の速さにするという段階的な練習ができるのでおすすめですよ。
再生スピードを変えられる教材としては、『究極の英語リスニング Vol.1 1000語レベルで1万語[最初の1000語]』が使いやすいです。
3段階のスピード調整ができるほか、聞き逃しやすいポイントやリスニングのヒントなどが豊富に載っています。
英語の速さについていけないと悩んでいる人には必見の一冊です。
ステップ③スクリプトなしで音声の一歩あとから復唱する
最後のステップでは、スクリプトを見ないで音声に続いて復唱していきます。
スクリプトを見ないので、セリフを間違わないよう音声から一歩遅れて復唱することになります。
ステップ①とステップ②を経ているので、スクリプトなしでも少しは復唱できるようになっているはずです。
ただし、どんなに簡単な音声でも、完璧にシャドーイングができるようになるには時間が掛かります。
あきらめずに何回も繰り返し練習してみましょう!
スクリプトがないとまったく復唱できない場合は、まだステップ③には早いかも。。もう一度ステップ②に戻って練習してみよう!
シャドーイングに慣れてくると、いきなりステップ③から始められるようになりますよ!
シャドーイングで挫折しないための5つのコツ
英語勉強ってなかなか続かないんだよね・・・挫折したこと数知れず。。
ここでは、シャドーイングで挫折しないためのコツを5つご紹介します。
この5つのコツはシャドーイングで陥りがちな罠ともいえるので、詳しく解説していきます。
コツ①音声は自分が興味のある内容を選ぶ
シャドーイングに使う音声は、自分が興味のある内容を選びましょう。
英語で理解できるかというのも大事ですが、日本語において理解できるか(興味があるか)も重要です。
自分の興味のない専門用語ばかり出てくるような話は、日本語だろうと英語だろうとつまらないです。
リスニングの本質は、「話を聞いて内容を理解すること」です。
「英語は聞き取れているけれど話の内容は分からない」では、実用的ではありません。
内容に興味があるからこそ「何の話なんだろう?」「どういう意味なんだろう?」という気持ちになり、聞き取る努力をしようと思えます。
自分が何に興味があるか分からないときは、“好きな洋画のセリフを使ってシャドーイングする”でOK!
興味がある内容をシャドーイングする方が挫折せずに続けられますよ~
コツ②スピーチ形式の音声を選ぶ
シャドーイングに使う音声は、会話形式よりスピーチ形式がおすすめです。
スピーチ形式がおすすめの理由としては、イントネーションや声の高さなどが統一されていて聞き取りやすいからです。
私の経験上、たとえ同じ英文だとしても、話者が変わると音の聞きとりやすさが変わってきます。
英語リスニングに慣れていないうちは、話者がひとりであるスピーチ形式の方がスムーズに聞き取れるようになるはずです。
シャドーイングに使う音声は形式ばったものである必要はないので、好きな外国人YouTuberの動画を使うのもいいね!
スピーチ動画で有名な『TED』は難しい内容が多いので、中級者以上向けかな
コツ③リンキングやアクセントの箇所をスクリプトに書き込む
スクリプトにリンキングやアクセントなどを書き込んでおくと、発音練習に役立ちます。
リンキングとは、音同士をつなげて発音する部分のことです。
リンキングやアクセントを把握しておくと、英語の聞き取りやすさが格段にアップするうえ、ネイティブに近い発音ができるようになります。
コツ④シャドーイングは1回10~15分程度でおこなう
シャドーイングは、10~15分程度の短時間でおこなうのがおすすめです。
シャドーイングは音声を聞きながら自分も復唱するので、想像以上に集中力を必要とします。
一説によると、人間の集中力が持続する時間は約15分といわれています。
そのため、シャドーイングするときは10~15分の短時間でおこなうと、集中力を最後まで保ったまま効果的に勉強することができるはずです。
個人的な体感としても、10~15分くらいだとセリフを見失ったり口が回らなくなったりすることも少ない印象です
15分ごとにマタタビ休憩するか
コツ⑤たったの数回で完璧にシャドーイングできると期待しない
心構えとして、「たった数回でシャドーイングが完璧になる」と期待しないようにしましょう。
スクリプトを見ずに音声を完璧に追えるようになるには、簡単なものでも20回以上はかかると思います。
英語を聞き取れるようになるには、どれだけ英語に触れている時間が長いかが大事です。
特に、前項の基本のやり方でお伝えしたステップ②とステップ③は、できるようになるまで何度も繰り返すことになります。
シャドーイングした分だけリスニングが得意になっていくので、諦めずにコツコツと頑張りましょう!
リスニング強化ならシャドーイングだけでなく「ディクテーション」もおすすめ!
リスニングを鍛えたい方には、シャドーイング以外に「ディクテーション」という方法もあります。
ディクテーションは、何も見ずに音声を書き起こしていくリスニング強化法です。
リンキングやアクセントの理解力や、ある程度の単語を知っていないとできないので、中級者以上向けの勉強方法といえますね。
リスニングに自信のない方は、まず空欄埋め込みタイプの教材から始めてみるといいかもしれません。
▼空欄埋め込みタイプの教材はこちらが有名です
または、ディクテーション専用の無料アプリ『ディクトレ』もおすすめです。
アプリであれば机に向かって勉強する時間がない方や、外出先でもスキマ時間を使って勉強できるのでいいですよね。
ディクテーションをとりあえず試してみたいという方は、無料なのでまずはアプリでやってみてはいかがでしょうか?
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シャドーイングのやり方をマスターしてリスニングを鍛えよう!
今回は、シャドーイングの基本的なやり方3ステップと挫折しないための◎つのコツをお伝えしました。
シャドーイングは、練習すればするほど英語の聞き取りを鍛えることができるリスニング勉強法です。
コツコツと継続していけば数ヶ月でリスニング力はほぼ確実にアップするはずですよ。
まずは興味のある簡単な音声を選んで、1日15分から始めてみましょう!