「留学カウンセラーにはさまざまなスキルが必要」と言われており、実際、英語力以外にも営業力やプレゼンテーション能力などが求められます。
知識やスキルを事前に身に付けられる留学カウンセラーの資格は、未経験でも有利に転職活動を進める手助けとなります。
留学カウンセラーになりたいと考えている方は、
- 「資格がないと留学カウンセラーになれないの?」
- 「資格ってどうやって取ればいいの?」
- 「試験って難しそう…」
という気持ちをお持ちではありませんか?
そこでこの記事では、留学カウンセラーの資格に関する全情報を、元留学カウンセラーである筆者が一挙にまとめました!
具体的には
2.「JAOS 留学カウンセラー認定試験」の試験内容や料金
3.試験の難易度や勉強法
の順番にご紹介していきます。
この記事を読むだけで、留学カウンセラーの資格に関する情報を一気に確認できるので、ぜひご一読ください!
試験を必ず受ける必要はないが、メリットもある
「留学カウンセラーの資格」というと必ず受験しなければいけないのかと考えてしまいますが、資格を持っていなくてもカウンセラーにはなれます。
試験はあくまで、カウンセラーとしての知識や基本スキルがあるかを図るためのものです。
試験を受けたことがないカウンセラーの方が多いかも…!(小声)
ですが、留学カウンセラーになるにあたりこの試験はまったくメリットがないのかと言うと、そうではないのです。
むしろ、未経験から留学カウンセラーへ転職するには有利な資格となります。
採用する側の視点から考えてみましょう。
留学カウンセラーになりたいAさんとBさんという方がいたとして、以下の2人のスペックだと採用側はどちらを選びたいと思うでしょうか?
2年間の留学経験・TOEIC950
半年間の留学経験・TOEICなし
この時点でのBさんのスペックには、特別感は感じられません。
2年間の留学経験・TOEIC950
半年間の留学経験・TOEICなし・留学カウンセラー認定資格保持
留学経験や英語スキルは変わっていないのに、カウンセラー認定資格を保持しているだけで「おっ?」と印象が変わるのではないでしょうか?
カウンセラーになるためにわざわざ試験勉強をして資格を取得したことに、Bさんの本気度が感じられます。
この「本気度」を採用側に伝えるのがミソです。
私がカウンセラーとして働いた経験からすると、「どうしても留学カウンセラーになりたい!」という情熱を持っている人は採用される確率が高いです。
留学カウンセラーは体育会系のノリもあるので、情熱はけっこう重視されています。
私も採用担当者から「目がガチなので採用」と言われました。
留学年数を変えることはできず、TOEICで高得点をとるにしても数ヶ月は掛かってしまいます。
学歴や英語力のスペックを補うことが可能なのが、留学カウンセラー認定資格なのです。
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「JAOS 留学カウンセラー認定試験」が唯一の留学カウンセラー資格
現在日本にある留学カウンセラーの認定資格は「JAOS 留学カウンセラー認定試験」ただひとつです。
この資格は、一般社団法人海外留学協議会(通称JAOS)が主催しています。
留学を目指す人たちのサポートに役立つ専門的な知識と、一定以上のスキルを持っていることの保証となる認定試験です。
2007年3月にスタートしたばかりの比較的新しい試験ですが、各国大使館やブリティッシュ・カウンシルが協力する信頼性のある試験です。
留学カウンセラーだけでなく、異文化理解が必要となる国際的な仕事に従事している方や、進路相談にのる高等教育機関で働く方にも役立つ知識が得られます。
この試験に合格すると、日本認定留学カウンセラー協会(通称JACSAC)が所有する求人情報を提供してくれ、留学会社や教育機関の国際交流部門への転職にも役立ちます。
試験内容
受験日・開催地
年2回開催
1回目:3~4月ごろ
2回目:9~10月ごろ
開催地
東京・大阪にて実施
受験する条件
1.留学知識
「JAOS認定 留学カウンセラーコース」もしくは、「JAOS認定 留学カウンセラー資格取得準備キット」で留学カウンセラーに求められる知識を習得する
2.異文化理解
合計1カ月以上の留学経験あるいは異文化体験(海外生活体験)をもつ
3.年齢
20歳以上
4.語学力
英検2級相当以上の英語力(または他言語について同等レベル以上の語学力)を有する
1.の留学知識とは、「公式テキストで勉強してから受けてね」という意味です。
異文化理解についても、1ヶ月以上であれば短期留学だった方でも受験資格があるのはいいですね
。
留学経験年数と語学力は自己申告なので、特に証明書などは必要ありません。
料金
試験にかかる料金は54,000円(税抜き)です。
・・・・高い(ボソッ)
この金額には受験料が含まれており、公式教材を購入するときにまとめて支払います。
教材の申し込みから2年以内に受験しなかった場合や、不合格後に再受験する場合は再受験料が9,900円(税抜き)かかりますのでご注意を!
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試験形式は筆記と面接
試験の形式は筆記と面接です。
筆記試験は選択式問題・論述式問題(250字程度)の構成になっています。
面接試験は受験者に対し試験管2人がインタビューをおこなう形式で、時間は5~10分程度となります。
出題問題の傾向
試験に出題される内容は、以下のような傾向があります。
- 留学の歴史
- メンタル面について
- トラブル対応能力
- 各国の教育制度
対応力や理解力が求められる、留学カウンセラーに役立つ実用的な内容が多くなっています。
合否通知の流れ
合格後は認定証が郵送で届き、日本認定留学カウンセラー協会(JACSAC)の正会員に登録されます。
正会員として登録されると、JACSAC主催のセミナーや研修に参加可能となります。
今までに開催したセミナーや研修の一例
- 留学カウンセラーのための、留学希望者に伝えるべき英語学習の視点
- 留学経験を活かす「国連、ユニセフ、WHOなど 国際機関への就職」
- 留学カウンセラーの就職事情とキャリアパス
- ケーススタディで考える トラブル事例と対応法
- 欧米とは一味違う!アジア英語留学の基礎知識
- 留学事業者は全員必要!『旅行業法』の基礎セミナー
- 知っておきたい、アメリカの学生ビザと就労ビザの情報
- 危機管理の最前線「留学生保険の内容と事故例、およびその対応」
- 世界のトップリーダー養成校、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)とは
引用 http://www.jaoscc.jp/about-jacsac
資格の有効期限は5年間
カウンセラーの認定試験には5年間の有効期限が定められています。
更新日が近づくと通知ハガキが届き、認定審査料6,000円(税抜き)を払い更新のための試験を受験します。
試験内容は、テーマに沿った2,000字程度のエッセイを提出することです。
初回の有効期限は5年間ですが、次回以降の更新頻度は2年間となるのでご注意ください。
難易度や合格率は公式に明かされていない
試験の合格率が気になるところですが、残念ながら公式のデータはありませんでした。
カウンセラー認定試験は2012年時点で資格保持者300人でしたが、2019年時点では700人とされています。
7年間で400人しか増えていないのはかなり少ないように感じます。
ちなみにTOEIC受験者数は、年間で200万人超えです!
ですが、このカウンセラー試験はかなりマイナーで受験者自体が少ないということを考えると、難易度が高いから資格保持者が少ないということにはならないと思います。
過去問なども無く「情報が少ない」という点ではある意味難しいですが、試験の内容自体は教材からしか出題されないため、合格しやすいともいえるかもしれません。
短期集中なら1ヶ月間の学習でOK
カウンセラー認定試験の教材は、TOEIC(R) L&Rテスト 至高の模試600問などの有名な英語教材を出版するアルクが手がけています。
教材のセット内容はテキスト3冊・DVD2枚です。
アルクで教材について詳しく見る
教材はなかなかボリュームがあるように思えますが、アルクが推定する標準学習時間は90時間ほどとなります。
1日1時間だと3ヶ月ほどかかりますが、集中的に学習すれば1ヶ月ほどでも教材すべての内容を終えることが可能です。
試験に出題される問題はテキストに書いてある中からしか出題されないので、とにかくテキストだけを勉強すれば充分合格する可能性はあります。
まとめ
今回は、留学カウンセラー認定試験の全情報についてお伝えしました。
まとめると、
・「JAOS 留学カウンセラー認定試験」はスキルを証明できる資格
・出題される問題は教材に書いてある内容のみ
・最短1ヶ月の学習時間で合格可能なレベル
となります。
留学カウンセラー認定試験は、異文化理解やトラブル対応能力など、国際的な仕事をおこなうのに必要なスキルを学ぶことができます。
資格を保持していれば、スムーズな転職活動に活かしたり身に付けた知識を即戦力として利用したりと、さまざまな使い道があります。
気になっている方は一度受験してみてはいかがでしょうか?